旧車バイクの製作模様をお見せします

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カワサキZ1000R2

バイクの製作模様を約120枚の写真と解説で紹介しています。

納車時のカワサキZ1000R2エンジンは1198ccのフルチューン仕様です。足回り、電装系などにも手が入っています。

この写真の状態からブレーキを6ポッドタイプに変更。フロントフォークのスプリングレートを変更。タイヤもダンロップα11に変更して納車しました。

こちらバイクは平成21年の5月1日発売のバイカーズステーションに試乗記事が掲載されています。

どの仕様も使用部品が違うだけで段取りは同じです。ぜひ拡大写真をご覧ください。

※写真をクリックすると、拡大写真を見ることができます。

1.フレームレストア

バイク全体を支えるフレームをレストアします。

部品紹介画像
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フレームはサンドブラスト加工します。
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写真では解りにくいですがエンジンマウント部分に補強を施し、その後プラサフをスプレーパテのように少し厚めに塗って、研ぎだします。その方が仕上がりが良いからです。
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その後、黒とクリアーを上塗りします。

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2.エンジン製作

バイクの心臓部、エンジンの製作です。

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エンジンを分解して洗浄し脱脂してマスキング、そして サンドブラスト加工します。
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今回はエンジン色を黒にする為、その後再度洗浄、脱脂して塗装用のマスキングが終わった所です。ここの写真にはないですが全ての色塗り部品をサンドブラストします。
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まずクランクシャフトにねじれがないかを点検後、振れを測定。
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そして芯だしの後(振れを減らす作業)脱脂してピン部を溶接。
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ミッションは普段ならドッグ部をアンダーカット加工しますが、今回は最初からしてあるGPZ1100Fのミッションを使うため、消耗品を換えてオーバーホール(以下OH)して組み立てます。
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加工の終わったシリンダーヘッド。
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ガイド交換、ポート拡大研磨加工、ひずみ修正面研0.05mm、ビッグバルブ組み込みの為のシートカットすりあわせ加工、写真では全くわかりませんが、風穴の拡大加工を行っています。
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今回は使用するヘッドガスケットを食いつきやすくする為、ヘッドの面研した所を軽くオイルストーンでなでているのでやや傷があるように見えます。ポートの写真がやや見にくく申しわけありません。
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使用するビッグバルブです。IN側のみ1mm大きいものにして、数グラム軽量化してあります。
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リフターなどの写真は洗浄してすぐの写真の写真の為、整然としてませんが、アウターシム式をインナーシム式に変更
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バルブスプリングを低フリクションの強化タイプにしてあります。
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バルブまわりの組みつけが終わったところです。
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この車輌ではカムシャフトに、ヨシムラst-1を使います。
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ヘッド単体の状態でカムシャフトを組み付け、仮のタペットクリアランスを測定している所です。
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当然エンジン本体にヘッドを載せるとクリアランスが変わってきます。
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タペットクリアランス調整用のシムをマイクロメーターで測定しているところです。仮の タペットクリアランスの測定が終わると、腰下を組あげていきます。
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新品のシリンダースタッドボルトを、取り付けているところです。今回はシリンダーライナーが入るクランクケース部分のボーリングは行わず、リューターで穴を削って 広げています。理由としてZ1000RなどのJ系は、もともと穴が大きく削る量が少ない為です。
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その後エンジンをひっくり返しクランクシャフトを組み付けたところです。
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隣は、クラッチハウジングです。よくスプリングががへたっていますが、この車輌は、すごく良い状態です。へたっている場合はASSY交換です。
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点検したハウジングとOHしたミッションを組み付け、ロアケースを組んだところです。
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J系は、ハウジングを後で組みつけられるのですが、大きな部品で先に組んでしまいたいので先に組んでいます。
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その後ひっくり返して、ピストンを組み付けます。
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ピストンは、イギリスコスワース製、鍛造ピストンです。サイズは76mmで、1198cc仕様となります。
1度乗り味、高い耐久性を知ってしまうと組まずにいられなくなるすばらしいピストンです。
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ピストンをミスのないように組み付け、リングの合口の位置を合わせます。
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隣の写真は、スタータークラッチです。ここはアッセンブリーで新品を使用し組み付けです。
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拡大写真でご覧になれますが、ボルトに黄色でチェックしているのは確実に締めたという確認の意味で入れています。
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シリンダーはライナー打ち換えボーリングをしています。オーリングは内部に埋め込んでいます。この車輌はシリンダー下面も修正面研しています。
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シリンダーを組み付けメタルのヘッドガスケットを乗せます。
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そしてチューニングしたヘッドをのせカムシャフトを組みます。
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圧縮比を適切にして、パワーと耐久性、フィーリングのバランスの良いところを狙います。
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カムシャフトのスプロケットはカムタイミングを調整する為の長穴加工をしてあります。
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その後タペットクリアランスを適正値にあわせ、ピストントップを出して、カムタイミングをとります。
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その後エンジンをひっくり返し下回りを組み付けます。
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オイルポンプを組み付けたところです。
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オイルフィルター回りを組み付けます。なぜこんな基本的な写真を載せるかといえば、ここの組みつけが間違っている車輌がとても多いからです。スプリングの上に専用のワッシャーがついていますが、このワッシャを組み忘れている車輌のなんと多いことか。
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その隣の写真のオイルフィルターは純正を使います。社外品ははっきりいって粗悪な商品が多く絶対に使用しません。
こんな重要な部品にわずか何百円安いだけの粗悪品を使用することは考えられません。
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組みつけが終わったオイルパン回りの写真と、ミッションチェンジ機構の内部組みつけが終わったところ。
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リターンスプリングなどは当然交換済み。たまにチェンジアームやその爪部分が痛んでいることもあり、交換したり修正することもあります。
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クラッチです。
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fccの強化クラッチセットを使っています。
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ここまでくればおおよそエンジンは、完成です。
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一番左はOH前のセルモーターのブラシ部分です。
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その右はOH後の写真です。
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真ん中はセルモーターにつながる配線ですが、このゴムキャップが駄目になっているものがほとんどです。この車輌のも交換しました。
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その他の写真は、車体小物部品達ですが、サンドブラスト後塗装しています。非常に手間ですが、こういう部品がきちんとしているとしていないでは仕上がりが全然違ってきます。

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3.足まわり部品

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フロントフォーク、ステムキットもレストアします。
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この車輌は、フォークスプリング、減衰力共に変更してあります。
ノーマルの足回りの場合は、そのままでも良いのですが、ブレーキなど足回りに手をくわえた場合は、手を加えます。
これでブレーキを安心して使えるようになり、下り坂などでも全く怖くなくなります。古いバイクでも安心して走れます。
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スイングアームにワックスをかけ、リヤショックと共にフレームに組み付けます。
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4.ステム、ホイールまわりの組み付け

ステム周辺やホイール、ブレーキの組み付けを行います。

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ステム回りもレストア済みです。フォークトップキャップもレストアしました。この辺は運転中に常に見えるところなので、綺麗なことはとても大切です。
フォークアウターチューブは、ホイールを組む際に傷つけないように、マスキングテープ+布テープで保護しています。
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サイドスタンドのスプリング位置を内側に変更しています。ステップ位置を変更した際に、シフトダウンの時にペダルが干渉するからです。
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ホイールは鍛造マグネシウムホイール、マグタンJB2を使います。軽量ホイールは旧車を驚くほど良い、楽しいバイクにしてくれます。
ブレーキは鋳鉄製フローティングディスクを使用、コントロール性が高く、握った分だけ効く、すばらしいブレーキディスクです。
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5.エンジンの設置

フレームにエンジンを載せます。

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エンジンマウントは新品を使用します。
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そしてエンジンをのせます。
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Z1000R2は比較的のせ易いですが、車体もエンジンも綺麗な為、傷つけないようにすごく気を使います。

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6.スプロケット、リアブレーキマスターの作業

スプロケットやリアブレーキをオーバーホールします。

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エンジンのフロントスプロケット部分です。
スプロケットは新品を使います。ナットやワッシャも新品です。ここのナットは緩みやすい為、チェーンをつける際にしっかり締めます。
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リヤブレーキのマスターシリンダーです。サンドブラストしてレストアした後に、内外のゴム類を交換してオーバーホールしてあります。
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純正部品はリヤブレーキスイッチです。色あせしていたり、樹脂部分が割れるものが多いので無条件交換です。

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7.点火系の設置

点火系のコントロールユニットを設置します。

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点火系は今回、ASウオタニ製を使いますが、取り付けのステーなどは、付属していないのでオリジナルのものを製作しました。
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適切な取り付け場所がないので、バッテリーの前にコントロールユニットを取り付けます。
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ここはキャブレターの後ろになる為、キャブレターの吹き返しが多少は飛んでくるので前の部分にもプレートを取り付けました。
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本体は密閉されているようなので、ここまでしなくても良いと思いましたが、念のため。

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8.細部のパーツを装着

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フレームの穴あき部分につけるメクラです。
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このような小さな部品が純正で出るのは嬉しい限りです。
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ハンドルは今回純正と同じ形のものを数ミリ長くして樹脂のバーエンドキャップを取り付けました。これはスロットルをJB製に変えるため少し長さが足りなくなる為です。
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ステム下側のカウルステー部分はブレーキホース変更に伴いカラーを製作しました。
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スロットル部分を旋盤で加工し長さを短くしているところです。通常の社外品はこの部分が樹脂で出来ていますが、JB製はアルミ削りだしで出来ていて、しゃきっとした使いごこちがすばらしいです。アクセルグリップの長さにあわせる為に削って短くしています。
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キャブレターはFCR35mmを使い、今回は削りだしファンネルを使用しました。扱いやすく、パワーもトルクも出て、しかもセッティングパーツが安く入手しやすいなど、すばらしい製品です。
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チェーンは高馬力対応のチェーンを使用。スイングアームは、当社製品の空冷GPZ750Fのスイングアーム大改造版です。この形は根強い人気があります。
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リヤショックは、JBカヤバのスプリングレートを変更して使用します。今回この車輌はバイカーズステーションの試乗取材を受けることになっており、取材時に即全開で走れるように、少し多めに慣らし運転をするのでお客様のタイヤが減らないように、慣らしの為のタイヤを履いています。

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9.電気系統の設置

バッテリーやメーター、ウインカーランプなどの電気系統を設置していきます。

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オイルクーラーも装着、セトラブ製16段タンク下回しを採用。九州は冬の寒さより、夏の暑さのほうが問題があるので大き目を選択。サーモスタットはかっこ悪いし、かさばるし、でつけません。
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メインハーネスです。今回は純正品がまだでたので純正品をを使用。輸出の仕様地によって多少違うので、少し手を加えて使用。
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イグニッションコイルはウオタニ製です。
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黒っぽいプレートとネジはリヤインナーフェンダーを取り付ける為の部品です。再メッキしています。こういう部品は単品は販売されないので、なおさら再メッキする必用があります。
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リヤフェンダーもレストアしています。取り付けると写真のようになります。
シートを開けた時にこういうところが綺麗だととても嬉しいものです。
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テールカウル内の、小物入れもレストアして装着。この部品が欠品で手に入りにくいので、Z1000R系購入時には着いているか確認が必要です。
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フロントブレーキのエア抜きをしています。
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左右スイッチを取り付けたところです。 左右スイッチは欠品でなおかつ完全レストアは難しく、また社外のリプレイス品もないので軽くレストアして使用しています。
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左右スイッチには回り止めのポッチがでていますが、そのための穴をハンドルに開けてあります。
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チェーンのかかるフロントスプロケット周辺です。この周辺にジェネレーターなどの配線がありますが、良く端子部分が焼けています。充電不良の原因になるので、もちろん端子、メインハーネス共々交換してあります。
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フロントスプロケットのカバーです。レストア済みです。
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エンジン周辺ハーネスなどをつないで、仮組みを行い動作確認をします。
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その後先々トラブルがでないよう考えながらタイラップでとめます。
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組み付けると見えなくなるのですが、メーターのステーです。これも再メッキしてあります。
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メーターは内部と計器類をメータ屋さんでレストア。ガラスも交換しました。外部の樹脂部分は当社でレストア。
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ヘッドライトは程度が良かったので、掃除してバルブを新品にして、リムをレストアして使用。
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バッテリーは新品にしてあります。
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バッテリー回りも組みつけが終わり、いよいよ完成が近づいてきました。
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ヒューズボックスは痛んでいたので交換しました。
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純正品がまだ販売されていて、とても嬉しかったのを覚えています。
 

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10.外装

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再塗装した外装を組み付け完成です。
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シートは純正の新品が再販されたのでそれを使用しました。
形状的にはもう少しシートが高く、角も落としたい箇所があるのですが、ほんの少しだけ加工したいという程度ですし、これを削ってしまうとローソンではなくなってしまうので加工しません。
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外装もデモ車で今までいろんな塗装屋さんにお願いし一番良いところに、お願いしています。

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11.完成

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完成後、一般道、高速道路を使い慣らし&テスト+セッティングを行います。遠方のお客様の場合200kほど走ってから納車します。
     

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このほかにもバイクの製作模様を以下からご覧いただけます。是非ご覧ください。

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